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メールマガジン2007年2月1日発行第48号

<<目次>>
■がん検診に寄せて(41)/山田達哉
■CT肺癌検診に関する朝日新聞の記事の感想/飯沼 武
■千葉大学/放射線医学総合研究所共催 公開市民講座:
 「遺伝子治療と重粒子線治療の進展」の印象記/飯沼 武
■まもなく行われる学会・研究会
■カンファレンス紹介
■スタッフその他の募集
■ 編集後記

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がん検診に寄せて(41)
 国立がんセンター中央病院 元 放射線診断部長  山田達哉

 年も明けて、今年は平成19年になりました。月日が経つのは早いものです。私が国立がんセンターを定年退職してから間もなく満14年になります。そして私が胃がんを内視鏡的に摘出してから、同じく14年になります。その間に、がん医療で大きく変わったものは何でしょうか?
 胃がんについて言えば、いわゆる手遅れ状態の進行胃がんを見かける機会が少なくなったこと、治療も胃切除術ではなく内視鏡的にがん病巣のみを切除する胃粘膜切除術で治療する患者が増加しつつあること、胃がん死亡が減少しつつあること、こんなところでしょうか。かつての国民病であった結核が、ストレプトマイシンの出現により激変したような大変化は起きていないように思います。
 最近、厚生労働省は、新しいがん対策基本法を策定したようです。昭和37年に国立がんセンターが設立された時代のがん対策法にはない、新鮮なものにするのが目的でしょう。この基本法に基づいて、がん対策が大きく前進することを私は期待しております。
 ところで最近、胃がんの死亡が減少しているとか、手遅れ胃がんを見かける機会が減ったとか、内視鏡的粘膜切除術で治療する患者が増加しているなどの事実は、全て検診の成果であると言っても過言ではないと思います。胃がん検診が人間ドックを含めて、かなり全国的に普及していますので、相当数の胃がん患者が早期の状態で発見され治療されていると考えられます。その実体を明らかにするには、確実ながん登録が必須条件です。しかし大都市では、不可能に近いほど困難なようです。
 私は、癌に関する様々な研究は非常に重要だと思います。それはそれとして、がん検診にもっと本腰を入れるべきだと思います。いつ完成するか分からない研究を待っている間に、がん患者は毎日目の前で発生しています。そして現在の日本には、様々のがんを早期発見する技術を持っています。そして、早期発見されれば、がんは治癒する可能性が非常に高いのです。
 過日NHKの番組を見て驚きました。手遅れになったがん患者(確か胃がん)の抗がん剤治療の話です。
しかも視聴者に対して、日本の癌治療は遅れているかのような印象さえ与えかねない語り口でした。
 がん対策は、先ず目の前の患者を助けること。現状では検診しかないと思います。がんに症状はないと考えるべきです。ですから一般の健康人に向かってがん検診を受けるよう、声を大にして叫ぶべきです。
 ただ、検診を話題にしても、新鮮みに乏しいでしょうし、治った患者を壇上に並べてみて見ても、大衆の興味を持たせるのが難しいかも知れませんので、マスコミも余り乗り気ではないでしょう。すると、我々が大衆に向かって大キャンペーンを張るしか良い方法はないのかも知れません。
 
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■CT肺癌検診に関する朝日新聞の記事の感想
  名誉会員  飯沼 武

1月15日付けの朝日新聞朝刊にCT検診に関する特集記事が掲載されていました。
ご存知の方も多いかと思いますが、その要約と私の感想を記してみました。ご意見を賜れば幸いです。

○肺がんCT検診 効果は? 
・小さいうちに素早く発見 5mmほどの影も
・「死亡減らせる」結論はまだ
・放射線量確認を

○CT検診で考えれる主な利点と不利な点
利点
・肺がんを早期に発見でき、がんが治せる
・負担の少ない治療で済む
・肺気腫や心臓血管の問題など、がん以外の病気が見つかる
不利な点
・以上と言われれば、結果的にがんでなくても検査や治療を受けること
 になる
・悪化が遅いがんの場合、すぐには必要のない検査や治療を受けること
 になる
・胸部X線より約10倍高い線量の放射線を受ける

○肺がんによる2005年の死亡数 62000人 
         男はトップ、女は大腸、胃に次いで3位
○1期肺がんの5年生存率 70%

筆者のコメント:内容は現時点では妥当なものといえる。しかし、CT検診の成績は明らかに良好なものが多く、予想としては死亡率減少効果が期待できると考えられる。今後も研究的な検診を進めながら、きちんとしたデータを出してゆけば、益々、その有効性が明らかになると思う。
ただし、江口先生の言われているように、診断用の線量で検診を行なっている施設に対しては学会として厳重に警告する必要がある。

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千葉大学/放射線医学総合研究所共催 公開市民講座:「遺伝子治療と重粒子線治療の
  進展」の印象記
 名誉会員  飯沼 武

1月26日(金)13:30-17:00、有楽町の東京国際フォーラム大ホールB7において千葉大学医学部と放射線医学総合研究所の共催による上記の市民公開講座が開催されました。会場は満員の盛況で如何にがん治療に対する一般の人たちの関心が高いか、よくわかりました。

 プログラム
 第一部 遺伝子治療
 13:40-14:20 「がん遺伝子治療 最新情報」 島田英昭(千葉大学講師)
       「ウイルスでがんを治す」 米満吉和(千葉大学客員教授)
 第二部 重粒子線治療
 14:30-15:00 「重粒子線がん治療の普及に向けた取り組み」 
        菱川良夫(兵庫県立粒子線医療センター院長)
        中野隆史(群馬大学医学系研究科教授)
 15:20-15:30 「重粒子線がん治療の現状」 辻井博彦(重粒子センター長)
 15:30-15:45 「肺がんへの取り組み」 馬場雅行(第一治療室長)
 15:45-16:00 「肝臓がんへの取り組み」 加藤博敏(第一治療室医長)
 16:00-16:15 「前立腺がんへの取り組み」 辻比呂志(第二治療室医長)
 16:25-16:50 「重粒子線治療を受けるためには」 辻比呂志
         「重粒子線治療を受ける患者の看護」 三上恵子(副看護師長)
 その後、質疑応答あり。

 千葉大学と放射線医学総合研究所が始めて、合同で公開市民講座を開催した。
この二つの施設による共催は画期的なことであり、今後の益々の協力が期待される。
 
 第一部は千葉大学医学部による遺伝子治療の発表であった。千葉大では文部科学省21世紀COEプログラム「消化器扁平上皮がんに対する先端的多戦略拠点形成」プロジェクトと行なっており、そのなかの成果を紹介した。千葉大学の伝統ある消化器外科の新しい戦略としての遺伝子治療の試みは始めて知ったが、今後の発展が大いに期待される分野である。

 第二部の重粒子線治療は放医研の最も得意とする分野であるが、今回の特徴は二つの新しい粒子線治療施設の紹介を菱川先生と中野先生にお願いしたことである。菱川先生はすでに治療を開始しており、症例を示して粒子線治療の威力を見せてくださり、中野先生は本年から建設が始まる群馬大学の小型炭素線治療装置を紹介してくれた。群馬大学の装置は放医研のHIMACの実用版で125億円とHIMACの1/3のコストで、性能はほぼ同じであると説明された。完成が待たれる。

 続いて、肺癌、肝臓癌と前立腺癌の炭素線による治療の現状が三人の先生により解説され、いずれも素晴らしい成績をあげていることが示された。とくに、肺癌では1回照射のトライアルに入っていること、肝臓癌では2回照射が実用になっていることが注目される。前立腺癌ではその驚異的な成績は勿論であるが、直腸と尿道に対する障害が極めて少ないことが報告された。
炭素線の線量集中性がよいためであると考えられる。

 最後に、辻先生と看護師の三上さんから重粒子線治療を受けるに当たってはどのような基本的な要件が必要であるか、また、看護師としてどのような点に注意して治療を受けている患者さんを看護しているかについて、実践的なお話があった。これも非常に参考になった。
 途中の質問時間にはたくさんの質問があり、帰りには個別の相談も受け付けるほどの盛況であった。このような公開講座がいかに多くの市民に期待されているかをひしひしと感じた。今後も時々、このような講座を開催して
もらいたいとアンケート用紙に記入した。
                                            1月28日

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■【まもなく行われる学会・研究会】
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会議:第1回 日本禁煙学会総会
会期:平成19年2月11日(日)~12日(月)
会長: NPO法人京都禁煙推進研究会理事長 田中善紹
会場: 京都府立医大図書館ホール
   http://www.nosmoke55.jp/gakkai/200602.html
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会議:第14回 日本CT検診学会学術集会
会期:平成19年2月16日(金)~17日(土)
会長:国立病院機構 近畿中央胸部疾患センター 楠 洋子
会場:大阪国際会議場 12階 特別会議室
   本学会最大のイベントです
   既にプログラムはお手元に届いていることと思います。
   いろいろ斬新なアイデアも盛り込まれているようですのでご期待下さい。

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■【カンファレンス紹介】
 どなたでも自由に参加できるカンファレンスを紹介します。
 これ以外にもご存じのカンファレンスがありましたらご紹介下さい。
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【木曜読影会】
日時:2月15日(木) 
場所: 国立がんセンター中央病院 管理棟1階 第1会議室
内容:胸部CT読影の基本
参加費: 無料
案内: FAX  03-3542-2628  又はe-mail: mhkaneko@ncc.go.jp
   希望者には毎月「木読通信」をFAX又はe-mailで配信しています。
   「木読通信希望」と書いて上記へ送付してください。
責任者:金子昌弘

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【第116回東京チェストカンファレンス】
担当世話人:聖路加国際病院放射線科  松迫正樹
日時:2007年3月13日(火)、19:00~21:00(今回は19時開始ですのでご注意下さい)
会場:聖路加国際病院
   http://www.luke.or.jp/access.html
内容: 持参された症例の検討を行います。
   特にテーマは定めませんので、奮ってお持ちよりください。
参加費:1,000 円
        この会の運営に関しては本学会もサポートしております。
    今回初めて参加の方はあらかじめ下記の日本CT検診学会事務局まで
    メールにてご連絡ください。 
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【国立がんセンター東病院 胸部X線読影会】
日時:8月を除く第2火曜日 午後7時30分より約2時間
場所:千葉県柏市柏の葉6-5-1 国立がんセンター柏キャンパス内
   研究所支所3階セミナールーム1
交通:http://www.ncc.go.jp/jp/about/higashi.html
内容:(前半)ご出席の先生から提示して頂いた症例の読影・解説
   (後半)過去画像を入手できた肺がん例を中心に症例提示と解説。
      どう読影すればもっと早い時期に発見できたかを皆で考え、
      早期発見のためのコツを身につけることができます。
参加費:無料
備考:双眼鏡多数用意してあります。
連絡先:04-7133-1111(代) 事務局(内線2332)馬場美津子
案内請求:mbaba@east.ncc.go.jp まで。

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スタッフ、その他募集
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職員その他の募集がありましたらお寄せ下さい。
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国立がんセンター中央病 肺診断グループ
当グループではでは4月からの研修医を募集しております。
気管支鏡検査・治療、胸部X線およびCT読影について指導致します。
興味のある方は下記にご連絡下さい。
  国立がんセンター中央病院 内視鏡部
  金子昌弘 mhkaneko@ncc.go.jp


************** 編集後記 **************

 多数のご寄稿を頂きましたので47号に続き48号を発行致します。
 山田先生、飯沼先生には前号に掲載できず失礼致しました。
 大阪での大会の直前の11日12日には京都で禁煙学会の総会が有り、出席の予定にしておりホテルを
予約していましたが、それが今問題のアパホテルでした。急遽京都市内のホテルを捜しましたが、連休も
あってどこも取れません。結局新大阪の駅前のホテルから京都に通うことになりました。従って2週続けて
週末は大阪で過ごすことになりそうです。
 それでは大阪でお目にかかれるのを楽しみにしております。  (文責:金子昌弘)
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