メールマガジン2008年11月1日発行 第66号
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** JSCTSメールマガジン **
** 2008年11月1日発行 第66号 **
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<<目次>>
■ がん検診に寄せて(51)/山田 達哉
■ 癌治療の医療経済-最新情報/飯沼 武
■ 本学会主催研究会
■ 関連学会主催研究会
■ カンファレンス紹介
■ スタッフその他の募集
■ 編集後記
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■がん検診に寄せて(51)
国立がんセンター中央病院 元放射線診断部部長 山田達哉
10月初めに、東京品川の高輪プリンスホテルで、第16回日本消化器関連学会(JDDW)が
開催されました。
その昼食時セミナーで、国立がんセンターの飯沼 元君がCT-Colonography について大変
興味深い講演をしてくれました。会場内は超満員で、私など整理券が入手出来ませんでした。
運良く途中から入場できた次第です。彼の方法は、彼の上司である検診センター長の森山君の
発想にもとずくものです。彼の話を聞くのは2回目ですし、内視鏡学会の論文でも読みましたが、
大変優れた方法です。
大腸がん検診は、X線や内視鏡では検査そのものが煩雑なために、便の潜血反応で先ず篩に
かける方法がとられています。しかし精度の点からは、画像とは比較にならないと思います。簡便に
ヴァーチャル内視鏡像が得られるとすれば、これからの大腸がん検診は、当然この方法に向かうと
思われます。コンピュータの出現によりCT装置が生まれたこと、CT装置もコンピュータと共に
進歩したこと、等々、CT-Colonography は最近のコンピュータ技術の進歩の申し子と言っても
良いでしょう。この方法による画像は、元々X線像ですから、大腸外の情報も描写できる可能性が
あります。画像そのものは、コンピュータ技術の進歩と共に向上することは十分考えられますが、
一番の問題はCT装置の値段でしょう。しかし、こちらも徐々にでしょうが、需要が増えるに従い
低下傾向を示すものと考えられます。私は胃がん検診にも応用して貰いたいと思い、森山君に
話したところ、どうも構想はあるようです。
現在の胃がん検診は、X線二重造影法が中心とかで、受診者は透視台上で、何回も激しく
回転させられたり、台を逆傾斜して頭を下げられたり、またゲップが出やすい体位を取らされながら
ゲップを我慢させられたり、不味いバリウムも飲まなくてはならず、なかなかの苦痛があるようです。
もしもCTで胃がん検診ができれば、食道がん、胃がんと共に大腸がん検診が同時に実施出来る
でしょう。工夫をすれば肺がん検診も同時に、更にはその他の臓器がんも同時に検診出来るかも
知れません。検査は短時間で終わるし、受診者への苦痛も大幅に軽減でき、しかも検診精度も
向上することでしょう。早くこのような日の来ることを切望しています。
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■癌治療の医療経済-最新の情報
放射線医学総合研究所名誉研究員 飯沼 武(医学物理士)
【1】はじめに
筆者は癌検診の費用効果分析に関していくつかの論文を発表してきましたが、
このたび、医療経済がご専門の東北大学医学部医療管理学の濃沼信夫先生から
下記の興味ある論文を頂戴しました。
・濃沼信夫、尾形倫明、三澤仁平:胃癌治療の医療経済.日本臨床 66巻
増刊5:639-652.2008.07.28
この論文は胃癌治療を対象としたものではありますが、癌医療全体の経済的な
側面を扱っており、とくに肺癌はその中でも最も重要な部分であることが示され
ておりましたのでご紹介したいと思います。
【2】Cost of Cancer
これは米国のNCI(国立癌研究所)が提唱している概念で、癌にかかわる社会的な
負担を意味しています。この負担の額を知ることによって、癌対策の投資効果を
評価するとともに、財政当局の理解や国民の合意を得る基礎資料として活用されて
います。上記の文献では日米のCost of Cancerが比較されています。
先ず、Cost of Cancerは次の二つから成り立ちます。1)癌の医療費(直接費用;
Direct Cost)と2)癌の罹患や死亡による逸失利益(間接費用;Indirect Cost)です。
さらに2)の逸失利益は2-1)癌の療養により生ずる経済的損失(Morbidity Cost)と
2-2)早死により生ずる経済的損失(Mortality Cost)の二つに分けられます。
間接費用には、癌で生じる痛みや苦悩の代価としての精神的・社会的費用もあり
ますが、これは算定が困難なことから除外されることが多いとされています。
文献では日米のCost of Cancerの比較がなされています。1年間の費用です。
医療費; 日:2兆5748億円 米: 8兆8060億円
Morbidity Cost; 日: 5563億円 米: 2兆 825億円
Mortality Cost; 日:6兆7868億円 米:14兆 896億円
合 計; 日:9兆9197億円 米:24兆9781億円 米/日比:2.52倍
日本の数値は平成17年のもの。米国;NIH Factbook-FY2004. 1ドル:119円
この数値を見ると、合計で米国が日本の2.52倍でありますが、人口比が2.33倍
ですので、それほど異なっていないことがわかります。日本のCost of Cancerも
かなり大きいことがわかります。
【3】部位別、項目別にみたCost of Cancer
続いて、部位別のCost of Cancerが示されています。
医療費 入院治療 外来診療 早期死亡 合計
億円 % 億円 % 億円 % 億円 % 億円 %
(1)肺 3195 12.4 612 14.4 123 9.5 12238 18.0 16168 16.2
(2)胃 2943 11.4 558 13.1 177 13.6 10300 15.2 13978 14.0
(3)肝 1916 7.4 334 7.8 74 5.7 7644 11.3 9968 10.0
(4)結腸 2595 10.1 346 8.1 129 9.9 4976 7.3 8046 8.0
(5)直腸 1490 5.8 242 5.7 59 4.5 3237 4.8 5028 5.0
(6)乳房 2337 9.1 156 3.7 155 11.9 3018 4.4 5666 5.7
(7)前立腺 1196 4.6 137 3.2 132 10.1 1280 1.9 2745 2.7
(8)子宮 695 2.7 107 2.5 52 4.0 1274 1.9 2128 2.1
小計 16367 63.6 2492 58.5 901 69.3 43967 64.8 63727 63.8
全部位 25748 100 4262 100 1301 100 67868 100 99961 100
この費用は1年間のもので、資料は平成17年国民医療費、平成17年患者調査、
平成18年社会医療診察行為別調査より算出されたものである。
これを見ると、肺癌が第1位であり、大きな社会的負担になっています。
とくに、早期死亡による損失が非常に多いことがわかります。私は肺癌は高齢者
の癌であると考えていましたが、この結果からは早期死亡損失が大きいことが明白
で、肺癌死亡を減らすことが非常に重要であります。
第2位は胃癌で死亡率は減少傾向にあるとはいえ、日本では依然として大きな損失
を示しており、重要な癌であります。
続いて、結腸と直腸を合計すると、肝を抜いて第3位となります。年間で5億円を
越えるのは第6位の乳癌までであります。
【4】三大疾患の逸失利益
わが国の三大疾患である癌、心疾患、脳血管疾患と糖尿病の社会の逸失利益が
試算されています。
入院 外来 早期死亡 医療費 合計
(1)癌 0.4 0.1 6.8 2.6 10
(2)虚血性心疾患 0.2 0.1 2.6 0.7 3.5
(3)脳血管疾患 0.3 0.2 1.7 1.8 4.1
(4)糖尿病 0.1 0.2 0.3 1.1 1.7
単位は兆円。
この結果を見ても、癌が群を抜いて多いことがわかります。とくに、早期死亡に
よる逸失利益が巨額であることが明らかです。第3次対がん総合戦略で示された死亡
率の20%削減という目標は、その必要性も緊急性もきわめて高いといえます。
【5】結 論
以上の数値から著者は次のように結論しております。
「Cost of Cancerは、癌対策の投資効果と、癌医療の進捗状況を経済面から評価する
指標といえる。癌の医療費(直接費用)は、抑制すべき(財政当局)と、増やすべき(医
療提供側)との相反する立場があると思われるが、癌による逸失利益(morbidity
costとmortality cost)の削減については、何人も異論がなかろう。morbidity cost
の削減には、癌の予防、早期発見とともに、良質で効率的な癌治療の推進が欠かせ
ない」
【6】筆者の感想
Cost of Cancerという視点から癌の医療を始めて勉強し、多くの病気の中で、
癌が群を抜いた社会的な損失を与えていることを知った。とくに、肺癌がダントツ
であることも初めて知りました。
肺癌は高齢者に多い癌であることから、早死による逸失利益がそれほど多いとは
思っていなかったが、これが全部位の癌に比べても圧倒的に大きいことに驚いた。
我々が進めているLSCTによる肺癌検診が初期の目標を達成すれば、この早期死亡に
よる莫大な損失を減らすことが可能であろう。
何としても、日本国民のために、このGoalに向って頑張りたい。
ご質問は飯沼宛にメールを下さい。t.a.iinuma3391@kjd.biglobe.ne.jp
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飯沼 武
t.a.iinuma3391@kjd.biglobe.ne.jp
http://takeshiiinuma.at.webry.info/
http://www.radiology.jp/modules/news/article.php?storyid=296
この日医放のサイトから私の論文をダウンロードできます。
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■本学会主催研究会
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★第16回日本CT検診学会学術集会
日時:2009年2月13日(金)~14日(土)
場所:パシフィコ横浜 会議センター
会長:江口 研二 帝京大学医学部内科学講座 教授
帝京がんセンター長
メインテーマ「未来型の検診を考える」
~治りうる肺癌発見の倍増を目指して~
詳細・演題募集は以下のアドレスからお願いいたします。
↓ ↓ ↓
http://square.umin.ac.jp/jscts16/
本学会の最大のイベントです。みなさまふるってご参加ください。
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★第1回 肺がんCT検診認定技師講習会および認定試験
CT検診認定制度合同検討会
日時 :平成21年1月31日(土),2月1日(日)の2日間
会場 :駒澤大学 1号館2階201教場
募集人数 :100名.(申し込みが多い場合は、事務局において選考し,
検診施設に従事されている方を優先させていただきます。)
申込方法 :①日本放射線技術学会ホームページのお知らせ欄:
「肺がんCT検診認定技師講習会および認定試験」
②CT検診認定制度合同検討会(http://www.ct-kensin-nintei.jp/)より
申込用紙(word)をダウンロードし必要事項を記入し,
下記申込先までの添付資料としてE-mailにてお送りください。
申込先E-mail: office@jscts.org
特定非営利活動法人 日本CT検診学会事務局内
CT検診認定制度合同検討会事務局
TEL/FAX: 03-3539-4305
問合せ先 :国立がんセンター東病院 放射線部 花井耕造
E-mail khanai@east.ncc.go.jp .電話 04(7133)1111.
(問合せにはメールにてお願いします)
詳細→http://www.ct-kensin-nintei.jp/workshop/index.html
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■ 関連学会主催研究会
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★第2回市民向けがん情報講演会「公共空間のタバコ撲滅大作戦!」
1.日時:平成20年11月8日(土)13:30から16:30
2.会場:国立がんセンター 国際研究交流会館 3階
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/consultation/access.html
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/consultation/access02.html
下記会場にもTV会議システムで中継します。
北海道がんセンター、青森県立中央病院
岩手県立中央病院、宮城県立がんセンター
山形県立中央病院、群馬県立がんセンター
茨城県立中央病院、埼玉県立がんセンター
千葉県立がんセンター、国立がんセンター東病院
新潟県立がんセンター、愛知県立がんセンター
大阪府立成人病センター、呉医療センター
四国がんセンター、九州がんセンター
3.題目: 「公共空間のタバコ撲滅大作戦!」
4.講師: 祖父江友孝 国立がんセンター がん対策情報センター
大和 浩 産業医科大学
望月友美子 国立がんセンター研究所
5.参加費: 無料
6.申込先: 11月4日までに下記に連絡をおねがいします。
国立がんセンター がん対策情報センター
がん情報・統計部 鈴木・高山
03-3542-2511 内線 5685
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★第24回肺がん集検セミナー
会期:平成20年1月15日 9時50分から16時
会場:西日本総合展示場 (北九州市 小倉区)
テーマ:がん対策基本法と肺がん検診
参加費:3000円
予稿集:1000円
世話人:第24回肺がん集検セミナー世話人 原 信之
日本肺癌学会集団検診委員会委員長 近藤 丘
第49回日本肺癌学会総会会長 安元 公正
主催:日本肺癌学会、日本肺癌学会集団検診委員会
共催:北九州市医師会
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■【カンファレンス紹介】
どなたでも自由に参加できるカンファレンスを紹介します。
これ以外にもご存じのカンファレンスがありましたらご紹介下さい。
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【東京チェストカンファレンス】
日時:2008年11月18日(火) 18:45~21:00
場所:国立がんセンター中央病院 病院棟4階 多地点カンファランスルーム
http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/consultation/access.html
参加費:500円
世話人:土田敬明(国立がんセンター中央病院 内視鏡部)
内容:始めに15分ほど基本的な胸部X線読影の講義を行ないます。
その後、各施設から持ち寄った症例につき、1例15分前後で検討します。
症例をご持参頂ける場合は、あらかじめ下記までお知らせ下さい。
症例登録先: ttsuchid@ncc.go.jp(土田敬明 国立がんセンター中央病院内視鏡部)
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【国立がんセンター東病院 胸部X線読影会】
日時:8月を除く第2火曜日 午後7時30分より約2時間
場所:千葉県柏市柏の葉6-5-1 国立がんセンター柏キャンパス内
研究所支所3階セミナールーム1
交通:http://www.ncc.go.jp/jp/about/higashi.html
内容:(前半)ご出席の先生から提示して頂いた症例の読影・解説
(後半)過去画像を入手できた肺がん例を中心に症例提示と解説。
どう読影すればもっと早い時期に発見できたかを皆で考え、
早期発見のためのコツを身につけることができます。
参加費:無料
備考:双眼鏡多数用意してあります。
連絡先:04-7133-1111(代) 事務局(内線2384)寺園貴子
案内請求:tterazon@east.ncc.go.jp まで。
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【木曜読影会】
日時:2008年11月20日(木)
場所:国立がんセンター中央病院 管理棟1階 第1会議室
内容:未定 講師:未定 参加費:無料
案内: FAX 03-3542-2628 又はe-mail: mhkaneko@ncc.go.jp
希望者には毎月「木読通信」をFAX又はe-mailで配信しています。
「木読通信希望」と書いて上記へ送付してください。 責任者:金子昌弘
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■スタッフ、その他募集
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【国立がんセンター中央病院 肺診断グループ】
当グループではではチーフレジデント、レジデント、短期レジデント、
厚労省計画研修医、対がん協会奨学医、他施設からの任意研修医を
募集しております。
気管支鏡検査・治療、胸部X線およびCT読影について指導致します。
興味のある方は下記にご連絡下さい。
国立がんセンター中央病院 内視鏡部
金子昌弘 mhkaneko@ncc.go.jp
************ ◆編集後記◆ *****************
やっと秋晴れの日が続くようになりましたが、皆様におかれましては秋の学会のご準備にお忙しいことと存じます。
13日からは小倉で日本肺癌学会の学術総会が開かれ、引き続いて肺がん集検セミナーも開催されます。
今年のシンポジウムやワークショップであまり検診が取り上げられていなくて残念ですがその分集検セミナーの
方で盛り上げて頂きたいと思います。皆様と小倉の方でお目に掛かれるのを楽しみにしております。
(文責:金子昌弘)
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JSCTSメールマガジン
2008年11月1日発行 第66号
〒105-0004東京都港区新橋2-16-1
ニュー新橋ビル339
NPO法人 日本CT検診学会
発行責任者:金子昌弘
事務局長 :三澤 潤
TEL/FAX :03-3539-4305
E-mail: office@jscts.org
ホームページ:http://www.jscts.org/jp
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