ごあいさつ

丸山 雄一郎

市民公開講座の開催について

第19回日本CT検診学会学術集会大会長
JA長野厚生連小諸厚生総合病院
丸山 雄一郎

平成23年のわが国における肺がん死亡数は男性50,369名、女性19,409名、合計69,778名であり、それぞれ、がん死亡の第一位および第二位で、男女ともに増加傾向にあります。肺がんは、進行がんの状態で発見されることも多いために死亡率は高く、「難治がん」の一つといわれています。

肺がんには、喫煙という、明らかに罹りやすい原因があることがわかっています。わが国の男性喫煙率は過去10年で56〜46%を推移しており、成人男性の多くは肺がんになりやすいリスクを負っています。肺がん対策としては喫煙対策が最も重要であり、禁煙により、長い目で見ると肺がんの死亡率を低下させることができるといわれていますが、喫緊の課題である肺がん死亡減少を果たすには、喫煙対策だけでは時間がかかりすぎます。

私たちNPO法人日本CT検診学会は、1994年に「胸部CT検診研究会」として発足し、CTを用いて治る肺がんを早期に発見して、肺がん死亡を減少させることを目的として研究活動をして参りました。10年ほど前から、肺がん検診にCT検査を利用することで、胸部単純写真による検診よりも多くの早期の肺がんが発見されることがわかってきました。昨年、米国の大規模な臨床研究で、低線量の胸部CT検査のほうが、胸部単純写真の肺がん検診よりも明らかに肺がん死亡率を低下させることが証明され、肺がんCT検診は、肺がん死亡を減少させる優れた検診方法として、今、世界中で脚光を浴びています。

この度、長野市において、第19回日本CT検診学会学術集会を開催するにあたり、市民の皆様に、肺がんにならない、肺がんで亡くならないようにするために、自分自身で何ができるのか、何をすればいいのかをお考え頂く機会として、「肺がん死亡減少をめざして〜ひとりひとりができること〜」という市民公開講座を開催することにいたしました。肺がん対策の重要な柱の一つである禁煙の重要性について、禁煙治療に造詣の深い先生より講演していただきます。次にがん検診、特にCT検診による早期発見の必要性について、CT検診の経験のある医師よりお話します。CT検診を受診されるにあたり、放射線被曝をご心配される方もおられるかもしれません。低線量CT検診における放射線被曝について、被曝の専門家より解説していただきます。皆様がCT検診の受診を希望されるにあたり、自治体がどのようにがん検診を執り行っているのか、医師会がどのようにCT検診の普及に関ったかについても、ご尽力された医師会の先生からお話していただきます。

最新の情報をわかりやすくお伝えいたしますので、多くの市民の皆様のご参集を期待しております。今回の市民公開講座が、皆様の健康に少しでも役立てば幸いです。


エーザイ株式会社

独立行政法人環境再生保全機構

ベーリンガーインゲルハイム

株式会社日立メディコ

宮原酸素株式会社

すぐ禁煙.jp ファイザー株式会社

中日本メディカルリンク

アストラゼネカ株式会社

日本文化厚生農業協同組合連合会