会長挨拶

第19回日本CT検診学会学術集会大会長 丸山 雄一郎

第19回日本CT検診学会学術集会大会長
JA長野厚生連小諸厚生総合病院 放射線科部長
丸山 雄一郎

第19回日本CT検診学会学術集会を、平成24年2月17日(金)、18日(土)の両日、長野市「メルパルク長野」にて開催いたします。伝統ある本学会の大会長を仰せつかり、誠に光栄に存じます。

CT検診はCOPDやメタボリックシンドロームなど、多彩な領域で研究されていますが、今大会はCT検診の最も重要なテーマである、肺がん早期発見という、がん検診の原点に立ち返り、「CT検診のあるべき姿〜肺がん死亡減少の本懐を遂げるために〜」というテーマでプログラムを企画しております。2011年6月29日付けのNEJM誌に、米国で実施された肺がんCT検診の無作為化比較試験National Lung Screening Trial(NLST)の結果が発表され、CT検診受診群は20%肺がん死亡率が減少していたことから、CT検診に肺がん死亡率低減効果があることが証明されたという論文が掲載されました。これを受けて、本邦でも、今後ますますCT検診の重要性は高まってくるものと思われます。CT検診を実施している多くの施設からのご発表を期待するとともに、これから参画しようとしている多くの皆様に、有益な情報が届けられることと思います。

長野県は全国でも積極的に肺がんCT検診が実施されている自治体のひとつです。多くの関係各位のご尽力の賜物ですが、就中、CT検診の黎明期からその重要性を訴え、自ら実践されてこられた、信州大学名誉教授の曾根脩輔先生に、「長野での低線量胸部CT検診のまとめ:治る肺がんの早期発見をめざして15年」と題して、特別講演をして頂きます。肺がんCT検診のあり方において、大きな転機を迎えているこの時期に、肺がんCT検診の第一人者である曾根先生のご講演を拝聴できることは、会員一同にとって裨益すること誠に大であると思います。

肺がん対策においては、禁煙と検診による早期発見が大きな柱であります。そこで、今回は、一般の方々を対象とした「肺がん死亡減少をめざして〜ひとりひとりができること〜」という市民公開講座も開催します。市民の皆様に、肺がんにならない、肺がんで死亡しないために、自分自身で何ができるのか、何をすればいいのかをお考え頂く機会を提供したいと思っております。

2月中旬の信州は、大変寒い時期ではありますが、凛と張り詰めた空気の中で、熱気溢れる議論が取り交わされることを大いに期待しております。CT検診の新ステージの幕開けに向けて、夜明け前のこの時に「CT検診」を熱く語り合おうではありませんか。