ご挨拶
第32回日本CT検診学会学術集会大会長
青木 隆敏
産業医科大学放射線科学講座
この度、第32回日本CT検診学会学術集会を2025年2月7日(金)・8日(土)、北九州国際会議場におきまして開催させていただくことになました。
日本CT検診学会は1994年に前身の「胸部CT検診研究会」として開催され、2025年は32回目の開催となります。創設以来、CTによる肺がん検診が疾患の早期治療に結びつくよう様々な研究がなされ、専門分野における人材の育成等、国民の健康及び医療の増進に寄与して参りました。2006年に「日本CT検診学会」と名称および制度の改定を行い、当初の肺がんのみではなく、肺の気腫性変化、冠動脈石灰化、大腸、内臓脂肪、骨強度や筋肉など、CT画像で捉えられる多くの臓器や病態に関する研究が行われるようになり、CT検診から得られる情報を余すことなく活用できるよう進められました。さらには医師や診療放射線技師、検診施設の認定制度も発足し、CTの撮影・読影技術の向上や検診の標準化に向けての取組みも着々と進んでおります。歴史と伝統のある本学術集会を担当させていただくことになり、たいへん光栄に存じます。
CT肺がん検診に関しては、欧米で2つの大規模ランダム化比較試験が行われ、その有効性が証明されましたが、本邦でもコホート研究結果が報告され、CT検診の実用化・標準化に対する機運が高まっています。一方、CT撮影技術や画像再構成技術は日進月歩で進化しており、画像の高精細化や被ばく低減が進んでいます。昨今のAI(人工知能)導入によって、これらの技術進歩には拍車がかかり、AIを用いた読影支援のソフトウェアも次々に開発されています。本学術集会も創設から30年を過ぎ、本邦のCT検診は新たな展開を迎える時であり、テーマを
『The New Era of CT Screening − CT検診の新時代を見据えて−』
としました。CT検診に関する現状を理解すると共に、様々な課題や問題を討議し、CT検診普及に向けて有益な情報を共有する場としたいと考えております。
ご参加いただいた皆様にとって、実り多き学会となるよう準備を進めて参りました。是非、北九州にお越し頂き、日中は会場での熱い討論を、夜は北九州の街夜景や美味しい食事をご堪能頂きたく存じます。皆様、どうぞご支援のほどよろしくお願い申し上げます。