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会長挨拶

村松先生

より高みを目指して Aim Higher!


コロナウイルス感染症の感染拡大の終息が見込めない状況を鑑みて、2021年2月21日(日)、22日(月)の両日、沖縄県宜野湾市「沖縄コンベンションセンター」において開催予定であった第28回日本CT検診学会学術集会を、スタジオからのWeb形式での開催に変更することになりました。このため、LIVE配信は2021年2月21日(日)のみとなりますが、期間中はいつでもどこでも視聴が可能となります。
沖縄での開催を心待ちにしておられました皆様にはたいへん申し訳ありません。このような決定は誰にとっても悲しいことであり残念なことですが、Web形式ならではの大会となるよう準備をいたしますので、引き続き、ご支援とご協力をお願い申し上げます。

当学会をご紹介します。
1994年に「胸部CT検診研究会」として発足し、2006年からは「NPO法人 日本CT検診学会」と名称および制度の改正を行い、今回で28回目の学術集会の開催となりました。発足当初、本学術集会におけるCT検診の応用は胸部領域が主でありました。CT検診の有効性・有用性評価に始まり、テクスチャー解析により得られる特徴量をベースにコンピュータ支援診断(CAD: Computer Aided Diagnosis)システムが議論されました。そして、私の師である花井耕造先生が大会長をされた第20回学術集会(秋葉原、2013年)では、大腸がんに対する新しい検診手法である「大腸CT(CT Colonography)」が取り上げられ、扱う領域が大きく広がりました。

当学会を取り巻く状況はいかがでしょうか。
低線量肺がんCT検診は、2つのランダム化比較試験(RCT: Randomized Controlled Trial)で死亡率減少効果が認められました。非/軽喫煙者を対象としたRCT(JECS Study)と並行し、受け入れ可能で費用対効果の高い対象集団を特定することが求められています。また、昨年は、ビッグデータや深層学習(Deep Learning)を活用した人工知能(AI)の発展により、医薬品医療機器等法に基づき診断支援ソフトウェアが「管理医療機器」として薬事承認され、今後も続くようです。
高精度なCT検診が日本全域で受診できるよう、これに係る人材育成、実施体制や組織の標準化が進んでいます。2009年には肺がんCT検診認定機構が設立され、認定医師、認定技師は総数で3,000人を超えました。2018年からは施設認定制度も始まり、現時点で約50施設が認定されています。また、本年度からは大腸CT専門技師認定機構(大腸CT技師機構)が立ち上がります。

本大会のテーマは「より高みを目指して Aim Higher」としました。
偉大な先人たちが歩んできた道を広げ、さらに新たな道を作り上げることは、どんな世界、どんな領域や分野でも通じるところです。

本大会では、CT検診の現況を鑑みながら、様々な企画を準備しています。 海外招聘講演は、ACRIN-NLST(American College of Radiology Imaging Network component of the National Lung Screening Trial)の主任研究員であるDr. Denise R. Aberle(UCLA)と、CMS(Centers for Medicare and Medicaid, USA.gov)が開催した肺がんCT検診の健康保険適用に関する公聴会で、医学物理分野の代表として登壇されたDr. Michael McNitt-Grayを予定しています。
そして、幅広い視野に立ったAI関連の特別講演とシンポジウム、一般研究発表、および前年度より当学会で組織した骨強度領域のセミナーなどを計画しています。

冒頭でも述べたように、Web形式に変更されたことで、日程や時間に左右されずに期間中はどこでも何度でも視聴することができます。閲覧方法など詳細は後日HPを通じてお伝えいたします。
私の盟友であり、実行委員長である山口功先生(森ノ宮医療大学)をはじめ、実行委員、プログラム委員が、万全の体制で皆様の視聴を心よりお待ちしております。

開催方式は変われども、やっぱり

 「めんそーれ!」