理事長挨拶
理事長挨拶
理事長挨拶
2026年2月、日本CT検診学会 理事長に就任いたしました長崎大学の芦澤和人でございます。「東京から肺がんをなくす会」(東京都予防医学協会)は、1993年に世界に先駆けて低線量CTによる肺がん検診を研究的に導入しましたが、それを受けて翌年(1994年)に発足した「胸部CT検診研究会」が本学会の前身にあたります。
私は2000年に開催された第7回研究会から毎年参加しており、低線量CT肺がん検診における撮影技術や高い肺癌発見率を中心とした検診成績など多くのことを学んできました。2006年に「日本CT検診学会」へと名称変更および制度改正が行なわれ、低線量CT検診の対象も複数の臓器に広がりました。2010年に、第17回日本CT検診学会学術集会を長崎で開催させて頂く機会を頂きましたが、前年には、関連学会のご協力のもと肺がんCT検診認定機構が設立され、低線量CT検診に従事する医師、技師の認定事業が開始されました。さらに2018年からは、各地域の低線量CT肺がん検診の指導的な役割を担う基幹施設の拡大を図るため,施設認定制度も始まり、検診の精度・質の向上、標準化、人材育成などに取り組んできています。
現在、低線量CT肺がん検診は、日本においては肺癌死亡減少効果については十分な証拠がないため対策型検診として推奨されておらず、任意型(人間ドッグ型)検診として行われており、本学会から、高い精度管理のもとに行うように指針が示されています。そのような状況において、2025年、国立がん研究センターがん対策研究所から「有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン 2025年度版」が公表されました。本ガイドラインでは、50〜74歳の重喫煙者に対して年1回の低線量CT検診を推奨グレードAとして、対策型・任意型検診の実施を推奨しています。これを受けて、同年10 月、厚生労働省の第45 回がん検診のあり方に関する検討会において,対策型低線量CT 肺がん検診導入に向けた検討が開始されました。これらは、肺がん検診の制度設計・運用体制に大きな影響を与えるものであり、これまで以上に精度管理および質の向上が求められます。
低線量CT肺がん検診は、対策型検診への導入により、大きな変革の時期に来ています。本学会は、対策型低線量CT 肺がん検診の実装化にむけた「マニュアル(案)」の作成に全面的に協力致しました。今後、本学会の役割は極めて大きく、さらに拡大していくものと認識しています。本学会のミッションは、「CT検診に関する研究の推進、人材育成および知識の普及を図り、CT検診の進歩発展を通して、国民の保健および医療の増進に寄与する」です。厚生労働省や関連学会、肺がんCT検診認定機構との連携体制を強化し、国内において精度の高い低線量CT検診が適切に行われるように尽力する所存です。皆様の御指導、御協力を賜りますようよろしくお願い致します。
日本CT検診学会 理事長 芦澤和人
(長崎大学 教授)