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第17回日本CT検診学会学術集会 大会長挨拶

第17回日本CT検診学会学術集会の開催にあたって

長崎大学病院がん診療センター 芦澤 和人

本学会は、平成18年1月に胸部CT検診研究会からNPO法人日本CT検診学会と改名され、今回で5回目の学術集会となりました。九州での開催は、研究会時代を含めて初めてであり、この地で主催させて頂くことを大変光栄に思っております。

本大会のテーマは、「CT検診の未来」と致しました。肺がん検診におけるCT検診の有効性評価のために、欧米では無作為化比較試験が進行中でありますが、その結果が本年以降に判明する予定です。対策型検診としてはネガティブな結果が予想されており、今後のCT検診の位置づけ、未来について十分に議論すべき時期に来ていると考えられます。

また、日本におけるCT検診の現状として、低線量で撮像されていない施設が数多くあることも明らかとなってきました。これらの話題に関して、関先生、瀧澤先生のお二人に特別報告をお願いしました。

肺がんに関するシンポジウムとして、「長崎における肺がん検診の現状」と、「CT検診で発見された肺結節のマネジメント」を取り上げました。長崎での、胸部単純X線撮像および低線量CTによる肺がん検診の現状をご報告しますので、ご批判、ご助言を頂ければ幸いです。また、継続的な話題である肺結節のマネジメントに関しては、本学会ガイドラインの妥当性を中心に活発な議論となるものと予想しています。また、肺がんのCT所見に関する教育講演を、楠本先生にお願いしました。豊富な症例を提示頂けるものと思いますので、読影のポイントなどを習得頂ければ幸いです。

肺がん以外のCT検診として、社会的に注目を集めるアスベストや肺気腫、さらにはメタボリックシンドロームなどが挙げられます。本大会でも、アスベストばく露による肺がん、中皮腫の診断に関する特別講演を岸本先生にお願いしました。アスベスト健康被害救済法などを中心に貴重なご講演を拝聴できるものと思います。また、肺気腫における専門の先生方をお招きして、シンポジウムを予定しております。また、今回ご応募いただいた演題には、コンピュータ支援診断に関するものも多く、CT検診における研究が広く行われているものと推測されます。

本大会では、(株)フリールの平井先生のご配慮により、久しぶりに「CT検診車」の展示を2日間にわたり行います。タイトな学会スケジュールではありますが、時間をみつけてぜひ展示場へ足を運んでください。また、学会に引き続き、NPO法人肺がんCT検診認定機構との共催で、肺がんCT検診認定医師講習会を開催致します。医師以外の方の参加も大歓迎ですので、奮ってご参加ください。

本大会が皆様方にとりまして有意義な会になりますことを願っております。よろしくご支援・ご協力のほどお願い申し上げます。